非平衡統計力学

平衡系の熱統計力学は非常に洗練されさまざまな応用がなされほぼ完成した理論体系となっている.
しかし非平衡系の研究は21世紀になってもまだまだ未開拓であり理論の方向性すら定まっていない.
また非平衡が対象とする物理現象があまりにも多く初学者にとって全体像が見えにくいものとなっている.
ここでは非平衡系における物理現象をなるばく整理し系統的に紹介することを試みる.
特に20世紀後半に発展した場の理論を用いた非平衡臨界現象に焦点を当てる.

確率的熱力学

  1. 確率過程
  2. 詳細つり合いの原理
  3. Foccker–Planck方程式
  4. マスター方程式
  5. Langevin方程式
  6. 過減衰Langevin方程式
  7. Crooksの関係式
  8. Jarzynskiの関係式

Langevin方程式

  1. Langevin方程式
  2. 過減衰Langevin方程式
  3. 森–Zwanzig形式
  4. 線型応答理論
  5. 相反定理

非平衡臨界現象

  1. 動的Isingモデル
  2. 吸収状態転移
  3. Hohenbergの分類
  4. KPZ方程式
  5. ラフニング転移

MSRJD形式の場の理論

  1. Langevin方程式とMSR場
  2. Langevin方程式の隠れた超対称性
  3. BRST対称性と揺動散逸定理
  4. 非平衡系のくりこみ群方程式

Doi–Peliti形式の場の理論

  1. レート方程式と反応系
  2. 確率レート方程式の経路積分表示
  3. Fisher–Kolmogorov理論
  4. Lotka–Volterra理論

Keldysh形式の場の理論(予定)

  1. 非平衡量子系の経路積分表示

無秩序系

  1. ガラス転移
  2. スピンガラス転移
  3. レプリカ対称性の破れ

量子開放系(予定)

  1. 熱浴と量子系
  2. 量子マスター方程式