電磁気学のための数学

Introduction

この章では電磁学や以降の物理学で必要な数学について議論していく.
この章で扱う数学はベクトル値函数の微分積分や微分方程式の解法に関する道具立てが中心になっている.

正規直交函数系Fourier展開では三角函数による展開の方法について議論する[1,2].
Fourier展開の性質では物理学で登場するようなFourier展開の変種を紹介する[1,2,4].
Fourier展開の計算ではさまざまな函数に対してFourier係数を具体的に計算してみせる[3,4].

Fourier変換ではFourier展開を無限区間に拡張する[1,2].
Fourier変換の性質では物理学で有用なFourier変換に関する諸性質を導く[1,2].
Fourier変換の計算ではさまざまな函数に対してFourier変換を具体的に計算してみせる[3].

ベクトル解析の基礎,ベクトル解析の公式では,電磁気学で用いるベクトル解析について簡単にまとめた[5, 6].

接ベクトル場,余接ベクトル場ではベクトル場の数学的な定式化について触れる[8,9,10,11].
ここで取り扱う概念は一般相対性理論への拡張も念頭に置いているが基本的にEuclid空間 \mathbb{R}^n  に限定する.

微分形式,微分形式の微積分では微分形式を導入する[7,8,9,10,11].
また微分形式の電磁気学ではMaxwell方程式を微分形式の言葉で書き直す[7,9].

Reference

Fourier展開・Fourier変換を物理向けに書かれた本として

[1] 江沢洋,『フーリエ解析 (シリーズ 物理数学 1) 』, (朝倉書店, 2009). >>> Amazon

数学的により厳密なのは

[2] 吉田 伸生, 『ルベーグ積分入門 -使うための理論と演習』, (遊星社, 2006) >>> Amazon

Fourier展開・Fourier変換の各種公式に関しては

[3] 森口繁一,宇田川銈久,一松信,『級数・フーリエ解析 (岩波 数学公式 2)』,(岩波書店,1987). >>> Amazon
[4] 寺沢 寛一,自然科学者のための数学概論,(岩波書店,1983). >>> Amazon

ベクトル解析については

[5] 武藤義夫,『ベクトル解析』,(裳華房,2011). >>> Amazon
[6] 杉浦光夫,解析入門 Ⅱ,(東京大学出版会,1985). >>> Amazon

微分形式に関して物理向けに書いた本としては

[7] H. フランダース,『微分形式の理論: およびその物理科学への応用』,(岩波書店,1967). >>> Amazon

他に以下を参考にした

[8] 松本幸夫『多様体の基礎』,(東京大学出版会,1988). >>> Amazon
[9] M. Nakahara, “Geometry, Topology and Physics”, (Taylor & Francis, 2003). >>> Amazon
[10] 小林昭七,『接続の微分幾何とゲージ理論』,(裳華房,1989). >>> Amazon
[11] 山本義隆,中村孔一,『解析力学1 (朝倉物理学大系)』,(朝倉書店,1998). >>> Amazon